純喫茶と昭和グラスの良い関係

カランと鳴るドアベルをくぐると、ほの明るい店内に満ちる珈琲の香り。ナポリタンやクリームソーダ、ホットケーキが並ぶメニュー表…昭和の心地良い面影をのこす「純喫茶」。平成も終わりを迎える今、20代〜30代の女性を中心に純喫茶人気がじわりじわりと広がっています。なかでもとくに注目されているのが、SNS映えするレトロ可愛いメニューや、その空間を彩るインテリアです。今回は、全国約2000店舗の純喫茶を巡った“東京喫茶店研究所二代目所長”難波里奈さんのトークショーへお邪魔して、純喫茶とレトロインテリアの魅力について伺いました。

昭和レトロな人気グラスをリメイク「アデリアレトロ」

純喫茶…喫茶店といえば、昭和36年からガラス食器を作っているアデリアにとって、とても縁の深い場所です。業務用ガラス食器のほか、かつてどこの家庭にもあった花柄のグラスは、いまでもマスターの後ろの食器棚で見かけることがあります。昭和デザインの「アデリアレトロ」シリーズも、純喫茶やレトロインテリアが好きな方々のラブコールにお応えするかたちで企画がスタートしたもの。今回のトークショーでは難波さんもアデリアレトロのファン、といううれしいご縁で、会場にアデリアレトロコーナーを設けていただきました。

“部屋を着替えるように”純喫茶空間を巡る

難波さんが純喫茶のとりこになったきっかけは、東京喫茶店研究所の初代所長である沼田元氣さんが出版された書籍を購入してから。純喫茶の魅力がぎゅっと凝縮された一冊は難波さんの純喫茶愛を刺激して、それ以来“毎日部屋を着替えるように”純喫茶へ通うようになったそうです。もともと昭和レトロな家具や雑貨が好きで集めていたけれど、自宅だけでは満足できなくなって…という難波さんのお部屋には、アデリアグラスも並んでいるとのこと。「アデリアレトロは、老若男女が日常で使えるデザイン、古き良きものを現在も守り続けているところが素敵です。おうちでお客さんがやってきた時にお出ししたら、それをきっかけに話が弾みそう。可愛いねとか、懐かしいねとか」。

個性的なインテリアとメニューにときめいて

純喫茶巡りを始めたのは10数年前で、平日は特別なことがない限り必ず会社帰りに1軒、休日は2、3軒、旅先では5軒以上行くという難波さん。1日の最高訪問件数は13軒で、1日に3つの県を制覇したこともあるというから、その愛情の深さには脱帽です。個人的な愉しみはというと、「純喫茶は個人のお店がほとんどなので自由度が高く、そのぶん内装や外観、メニューにかけるこだわりが強いところ」なのだそう。コーヒーカップをはじめ、グラス、スプーン、マドラーなどが大好きで、初めてみる柄に興奮したり、「あのお店と一緒だから時代背景が同じなのだろうか」と当時に思いを馳せたりすることも多いのだとか。

時代を超えて愛される純喫茶とレトロデザイン

今回のイベントは男性のお客さまも多く、会場となった手紙舎さんのカフェ「本とコーヒー tegamisha」は満員御礼。純喫茶に寄せられる人気を再認識しました。トークショー前後にはアデリアレトロを使用したバフェなども提供していただき、ノスタルジックな手紙舎さんの雰囲気ともマッチして、どこかタイムスリップしたような気持ちに…。時代や時間を忘れてくつろげること、それが純喫茶やレトロインテリアの魅力なのかもしれません。「アデリアレトロは今目にしても可愛らしく素敵なデザインですので、これからいろいろな柄をリメイクしてくださると良いなと思いました」。という難波さんのコメントにも後押しされつつ、もっと豊かな時間を愉しむための「アデリアレトロ」シリーズをつくっていければと思いました。

今回お話をうかがったのは

難波 里奈さん

東京喫茶店研究所二代目所長 / 純喫茶コレクション

日中は会社員、仕事帰りや休日にひたすら純喫茶を訪ねる日々。「昭和」の影響を色濃く残すものたちに夢中になり、当時の文化遺産でもある純喫茶の空間を日替わりの自分の部屋として楽しむようになる。ブログ「純喫茶コレクション」、著書『純喫茶コレクション』、『純喫茶へ、1000軒』、『純喫茶、あの味』、『純喫茶とあまいもの』、『クリームソーダ 純喫茶めぐり』、『純喫茶の空間』。純喫茶の魅力を広めるためマイペースに活動中。
新刊『純喫茶の空間 こだわりのインテリアたち』(エクスナレッジ)発売中(2019.2現在)